はじめての熱性けいれんのときに親がやるべきこと

はじめての熱性痙攣、びっくりしますよね。我が子も2歳半ではじめて熱性痙攣になりました。熱性痙攣が起きたときに親がとるべき行動をまとめましたので参考になれば幸いです。

熱性けいれんとは

熱性けいれんとは、38℃以上の発熱に伴って起きるけいれんのことをいいます。「ひきつけ」と呼ばれているので聞いたことがある人も多いでしょう。およそ生後6ヶ月~5歳の乳幼児期に発症することが多いとされており、およそ10人に1人の割合で発症すると説明されています。

熱性けいれんは多くの場合、正しい知識を持っていれば冷静に対応することができます

熱性けいれんは風邪や感染症などによって体温が急激に上昇した際に脳がけいれんを起こしやすい状態になるために起こります

どうして熱が上がるとけいれんが起きやすくなるのかについて詳しい原因は分かっていませんが、発達途中の子どもの脳は高い熱に鋭く反応してしまうのではないかと考えられているそうです。

また熱性けいれんは家族性の傾向があるため、問診では家族に熱性けいれんを起こしたことのある人はいますか?と聞かれます。熱性けいれんには「単純型熱性けいれん」と「複雑型熱性けいれん」の2つの種類があります。ほとんどの例が単純型で、複雑型は1割ほどと言われています。

単純型は良性の熱性けいれんなので後遺症が残ることはほとんどなく自然と治ります。

一方、複雑型熱性けいれんは後にてんかんが発症する可能性があるので、場合によっては治療が必要になります。そのため、熱性けいれんが起きたときには複雑型かどうかを見極めることが重要です。その際、けいれんの様子、時間、回数が判断のポイントとなります。

複雑型熱性けいれん

・全身でけいれんせず、体の一部または左右非対称のけいれんが起きる

・発作が15分以上持続する

・24時間以内もしくは発熱中にけいれん発作を数回にわたって再発する

このいずれか1つがみられる場合は複雑型熱性けいれんとなります。複雑型の疑いがある場合、検査を受けることが推奨されています。

けいれん時の対処法

・まず首の周りなどを締め付けないように衣服を緩めてください

・抱きかかえず、平らなところに寝かせてください

・嘔吐や口の中に固形物がある場合は、顔を左に向けて吐いた物が気道に詰まらないようにしてください

・口や鼻の周りの吐物を拭き取ってください

・診察時にそなえて、けいれんの様子(左右差)や持続時間、体温などを確認しておいてください。余裕があれば不謹慎だと思わずに動画などを撮影してください(診察時、てんかんとの鑑別に役立ちます)。

<してはいけないこと>

・大声で名前を呼んだり、身体を揺すったりしない(刺激となり、けいれんが長引く場合があります)

・「舌を噛まないように」と口の中に物を入れたりしない(熱性けいれんで舌を噛むことはほとんどありません。また、噛む力はかなり強いため、ケガをする恐れがあります)

救急車を呼んだほうがいいか

多くの場合、熱性けいれんは数分以内に治まります。数分以内で治まるけいれんであれば、ほとんどのケースにおいて救急車を呼んだり病院に行ったりする必要はありません

しかし中には、緊急性が高く救急車を呼ばなければならないケースや、緊急性は高くないが複雑型の疑いがあり検査の必要があるためけいれんが治まったあとに速やかに病院へ行ったほうがよいケースがあります。

緊急性を判断する上では以下の目安を参考にしてみてください。

【救急車を呼ぶ目安】

・5分以上けいれんが続く

・けいれんが終わったが、その後も意識障害が続く(睡眠とは別)

【病院へ行く目安】

・38℃より低い熱でけいれんを起こした

・全身けいれんではなく、体の一部または左右非対称なけいれんがある

【保護者がパニックで判断しにくい場合】

・小児救急電話相談(#8000)に電話相談をする

小児救急電話相談は厚生労働省がすすめる相談事業です。#8000番に電話すると、お住まいの都道府県の相談窓口つながります。そこで小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院などのアドバイスを受けることができます。熱性けいれん時以外にも使用することができます。

#8000番に電話をして状況を伝えることで、医師や看護師の適切な指示を受けることができ、子どもの保護者も、その場の対処や救急車・通院の判断を行いやすくなります。

夜23時をすぎるとかからないので、24時間対応の消防庁救急相談センターも利用してみてください。こちらでも救急車を呼ぶかどうかの相談ができます。23区は03-3212-2323 または#7119です。合わせていつでも利用できるように冷蔵庫にでも貼っておくと良いですね。

熱性けいれんは一過性のものが多いため、治療をせずに成長とともに自然に治っていくのを待ちます。しかし1度に起こるけいれんの時間が長かったりする場合は座薬による治療をすすめられる場合があります。

熱性けいれんの治療の対象とは?

複雑型熱性けいれんによる部分発作(体の一部だけがけいれんする発作)が24時間以内に2回以上反復した場合やけいれんが5~10分以上続く場合などが薬物治療の目安となります。けいれん状態が長く続くほど危険な状態になっていくため、座薬(ダイアップ)を投与しけいれんを予防します。

また家族に熱性けいれんになったことがある人がいる場合や、熱性けいれんの発症前から神経学的異常・発達遅滞がある人の場合は、座薬を使用することが多いです。

保育園に薬を常備してもらうのに必要な書式があれば医師に記入してもらいます。

まとめ

もし熱性けいれんで判断に困る場合には、まずは#8000番を利用するなど専門家の助言をもらって行動するのが1番です。

子供の10人に1人がかかる熱性痙攣ですが小学校に上がる頃には良くなっているようです。7度5分で座薬となると、登園基準も厳しくなりますし、これから長い付き合いにはなりますが気長に見守りましょう。

熱性けいれんを起こさないためにも日頃から風邪や感染症を予防することは大切です。子どもだけではなく、周囲の大人たちも予防につとめましょう。

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