溶連菌感染症について知っておきたいこと

溶連菌とはいったいどんな病気かご存知ですか?5~15歳の小児に最も多い「溶連菌感染症」について是非この機会に知りましょう。

溶連菌感染症かもしれないのはどんなとき?

症状の始まりは38~39度の熱とのどの痛み、そして嘔吐。のどが赤いだけだと、溶連菌かどうかは結局検査しないと分からないですよね。のどから採取して検査にかけると5~10分くらいで結果がでます。

溶連菌は抗生物質が効きます。溶連菌を完全に退治するまで、10日間~2週間ほど抗生物質を飲み続ける必要があります。

完治したかどうかは、発症時の症状が改善した2~3週間後に尿検査してわかります。

溶連菌感染症の症状

発熱(38~39℃)と、のどの痛み、嘔吐などから症状が始まります。その後、かゆみを伴う赤く細かい発しんが体や手足に現れたり、舌に苺のようなブツブツが発生して(イチゴ舌)、熱が下がると手足の皮膚がむけることもあります。3歳未満ではあまり熱があがらないと言われています。

医師の診察を受け、処方される抗生物質をきちんと飲むことで、大半の場合、熱は3~5日以内に下がりますが、解熱後約1週間経ってから手足の皮膚がふやけたようにむけてくることがあります。また、アトピー性皮膚炎のお子さんは病変部に溶連菌が入り込むことで重症化することがあるため注意が必要です。

溶連菌感染症の菌と潜伏期間について

難しい話になりますが、溶連菌は正式には「A群溶血性レンサ球菌(A群β溶血性レンサ球菌)」と呼ばれる細菌です。溶連菌とは、正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、α溶血とβ溶血を呈する2種類があり、後者でヒトに病原性を有するものは、A群、B群、C群、G群などです。溶連菌感染症の90%以上がA群によるものです。したがって、一般にはA群溶血性連鎖球菌(A群β溶血性連鎖球菌)による感染症を溶連菌感染症として理解されているといってもよいでしょう。主に“のど”に感染して、咽頭炎扁桃炎、それに小さく紅い発疹を伴う猩紅熱といった病気を引き起こします。

潜伏期間は2~5日間です。

溶連菌感染症の感染経路

感染経路は飛沫感染と経口感染です。具体的に言うと溶連菌感染症にかかった人のせきやくしゃみ、つばなどのしぶきによって感染します(飛まつ感染)。あるいは排出された細菌が手などを介し、口に入ることによって感染することもあります(経口感染)。

感染力は病気のなり始めである急性期に最も強く、急性期の兄弟間での感染率は25%と報告されています。兄弟でかかってしまう確率が1/4とは、なんともつらいですね。

子どもから抵抗力の低下した大人や妊婦にも感染することがあるので、注意が必要です。

溶連菌感染症の予防

予防接種はありません。他の感染症と同じく、手洗い・うがいを徹底しましょう。飛まつ感染を予防するためには、マスクも有効です。もし溶連菌感染症にかかってしまった家族がいる場合は、同じコップや食器を使うことは避けましょう。

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学校や保育園は出席停止になるの?

学校保健安全法では第三種(条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる疾患)に位置づけられており、医療機関の受診日とその翌日は登校・登園できません。有効な抗生物質を内服後24時間経つと、感染力はほとんどなくなります。

このころになると解熱することも多く、全身状態が良好となれば登校、通園が可能となります。他の感染症に比べると登園基準をクリアするのは意外と早いのですね。しかし発疹などの症状が治まっていなければ登園することは避けたほうがいいでしょう。

溶連菌感染症の治療法とは

有効な抗生物質をきちんと飲むことが大切です。また水分補給を十分に行いましょう。のどに強い痛みがあることが多いため、のどごしがよく、消化のよい食べ物にしてあげてください。食べるのがつらいようでしたら、水分だけでもしっかり摂れるよう心がけてください。

熱が下がってきている時は風呂(シャワー)に入っても大丈夫といわれています。ただし、発しんが出ている場合は、温めるとかゆみが強くなるため、温めすぎないようにしたほうが良いでしょう。

完治の判断は2~3週間後

抗生物質の効く溶連菌ですが、油断大敵!「溶連菌」はきちんと完治しないと、重大な合併症を引き起こす細菌です。

「溶連菌」を原因とする合併症には、心臓弁膜に障害などを起こすリウマチ熱や、血尿やむくみを伴う急性糸球体腎炎、全身の皮膚に赤い発しんが現れる猩紅熱などがあげられます。

熱が下がっても溶連菌が残っていれば再発の恐れがあります。溶連菌を完全に退治するため、抗生物質は処方どおりに最後まで(10日~2週間の間)飲ませることが重要です。症状が改善した後も、2~3週間後に尿のなかに血液が混じっていないかを検査します。

この検査をもって、溶連菌感染症が完治できたかどうかわかります。必ず発症2~3週間後にも医師の診察を受けましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?喉が痛いというだけでは、溶連菌かどうかはわかりませんよね。病院できちんと診察を受けて抗生物質を決められた期間きちんと飲んでいれば、治療のできない病気ではないことがわかりましたね。こどもが小さい頃はいろいろな病気をもらってきてしまうものですが、基本的には手洗い・うがい・マスクなどで大人も子供も予防が大事です。

 

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